日差しがどんどん暖かくなり、桜の花は広がり、野原に蕾がふきはじめる。
その心地よさを住まいにもと、花を飾るときに、花のための器を探します。
ガラスでも、陶磁器でも、それ以外のどんな素材でも良いですが、いざ探してみると、そんなに花器がある訳ではないことに気づきます。
でも、必ずしも花器に花を生けなくても良くて、好きだけど使ってなかった器を、花器と見立ててお使い下さい。
そんな器のご紹介です。
【pots イレモノ/イレモノミニ】
この器は、そもそも使い方を決めずに作りました。
伝えたかったのは、この器を彩る青や橙や茶などの趣のある色合い。
この色は、焼くことではじめてあらわれる『やきもの』独特の色合いで、ガラスを含んでいるので焼いたときに溶けて他のいろと混じりあって、この透明感のある柔らかい色合いが生まれます。
この雰囲気を伝えるために、好きなものを入れる道具として生まれたのがこの『pots』
potsとはそのまま『入れ物』という意味です。
コーヒーを飲むときに使いたいと思われた方には『カップ』として。
スプーンやフォークなどを入れたいと思った方には『カトラリースタンド』として。
『キャンドル入れ』として。『シュガーポット』として。
そして、花を入れたい方には『花器』として。
『やきもの』ならではの透明で優しい色合いを暮らしのそこかしこに
【kooci ミニ花器】
京都の町屋などでみかける伝統的な格子柄をデザインした小さな花のうつわ。
この器は、格子柄のデザインでマグカップやご飯茶わんを開発した展開の中で、花器として作ったので、何も見立てているわけではないですが、目指したのは、『花を支える器』です。
子供が道端で積んだタンポポのような一凛の花でも、小さくな台形のこの花器であれば、しっかり支えられます。
花にとっては迷惑かもしれませんが、せっかく縁のあった小さな命をできるだけ長く愛でさせてもらいたい。
きれいなものに、目がいってしまう、手が伸びてしまう、その後もできるだけ長く付き合わせもらいたい。
そんな想いの花のうつわです。
【janome そばとっくり】
そばとっくりとは、蕎麦を食べるときに蕎麦猪口にツユを注ぐための器です。
ただ、実際にその用途で使われることはほとんどありません。
ツユではなくて、ドレッシングなど他のものを入れたり、なにより『花器』として使われたり。
形が形なのでたくさんの花を生けられないですが、その分、一輪なら結構長い花でも生けることができます。
花を活けてから思うと、これは、まさしく『花器』で、そもそも『そばとっくり』とは名乗らない方が良いのではないかとも思うのですが、『花器に花を生ける』より『そばとっくりに花を生ける』の方が楽しい気がするので、これからもあんまりそう使われることはないかもしれませんが、『そばとっくり』と名乗り続けることと致します。
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美濃焼とは (Discover Japan 10月号ご掲載に合わせて)
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